2025/04/01
NTTドコモ・ベンチャーズ × Quest 対談インタビュー

2024年3月27日、NTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)とQuestの対談インタビューが行われました。本記事では、NDVの共創チームがどのような役割を担い、Questのレポートを活用してどのような価値を生み出しているのかを探ります。
共創チームの役割と背景
── まずは、お二人の自己紹介をお願いいたします。
貝沼氏(NTTドコモ・ベンチャーズ)
NTTドコモ・ベンチャーズの貝沼です。私たち共創チームは、主にNTTグループとスタートアップのマッチングを推進しています。NDVは単なるCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ではなく、グループ全体の事業に貢献できるスタートアップを見極め、協業・協働を進めることが重要な役割です。
私は2年半前にNDVに入社しました。それまでにエンジニア、マーケティング、コンサルなどを経験し、CVCの課題を外部視点から解決したいという思いがありました。NDVの中でも、業界全体を俯瞰しながらスタートアップ連携を推進する役割を担っています。
平尾氏(NTTドコモ・ベンチャーズ)
私は2022年7月にNTTコミュニケーションズからNDVに異動しました。以前は、アメリカのスタートアップを日本に誘致し、ビジネス展開を支援する業務を担当していました。
NDVに異動してから感じたのは、スタートアップに関する情報は多いものの、市場動向の調査やマクロな視点での分析が不足している点でした。そこで貝沼さんと話し合い、Questさんに市場調査を依頼することになりました。
Questを選んだ理由
── 数ある市場調査会社の中で、なぜQuestを選んだのでしょうか?
平尾氏
NTTでは発注時にコンペを実施するルールがあります。2023年3~4月にQuestさんを含む3社にRFPを出しました。最終的に、価格とクオリティを総合的に判断し、Questさんに依頼することを決めました。
特に、QuestさんのレポートはBIG4と比較しても遜色のないクオリティでありながら、コストパフォーマンスが優れている点が魅力的でした。
貝沼氏
私自身、コンサル時代に同様のレポートを作成していた経験がありますが、Questさんのレポートは情報の粒度が細かく、短期間で高品質なインサイトを提供してくれました。
また、代表の南さんをはじめ、Questの皆さんの仕事のクオリティを以前から知っていたため、安心して依頼することができました。
レポートの活用と影響
── 調査結果をどのように活用されていますか?
貝沼氏
NDVの活動は、NTTグループ内でも「何をしているのかよく分からない」と思われることが少なくありません。そこで、スタートアップ連携や投資の重要性を伝えるために、レポートを社内の啓発活動に活用しています。
レポートを基に、グループ内で勉強会を開催したり、Slackで情報発信を行ったりすることで、NDVの認知度向上を図っています。特に生成AIに関するレポートは反響が大きく、100名以上が参加するオンライン勉強会も開催されました。
平尾氏
また、各グループ会社にオープンイノベーション担当がいるため、彼らと連携しながら勉強会を企画し、スタートアップへの関心を高める取り組みを行っています。
レポートには、法規制や市場の成り立ちなど多角的な視点が含まれているため、読み手によって異なるポイントが刺さるのも魅力です。知識の底上げだけでなく、新たなビジネスアイデアの創出にもつながっています。
── 社内でのレポートの反響はいかがでしたか?
平尾氏
生成AIのレポートは特に反響が大きく、「これを使って勉強会をしてほしい」という要望が事業部から寄せられました。また、「この業界に詳しいようなので打ち合わせしたい」という問い合わせも増え、スタートアップ連携の機会が広がっています。
他にも、キャリア分析のレポートも幹部層からの評価が高く、NDVの取り組みがグループ全体に浸透するきっかけになりました。
貝沼氏
最近では、生物多様性に関するレポートを基に勉強会を開催し、サステナビリティ推進室からも興味を持たれました。今後はエンタメ分野の調査も予定しており、どのような反応が得られるか楽しみです。
── Questのレポートのどの部分が特に刺さっているのでしょうか?
平尾氏
やはり情報の網羅性が大きなポイントです。ただ単にデータが多いだけでなく、法規制や市場の背景など多角的な視点で整理されているため、読む人によって刺さるポイントが異なるのが魅力です。
貝沼氏
加えて、「なぜこのスタートアップが有望なのか?」というプロセスが明確に示されている点も評価しています。単なるリストではなく、業界の整理と仮説構築がしっかり行われているため、納得感を持って意思決定ができます。
業界調査の価値とCVCの可能性
── 同じような課題を抱える企業に向けて、業界リサーチの価値についてお話を伺えますでしょうか?
平尾氏
私自身、事業会社でリサーチをしていましたが、どのように進めればよいのか手探り状態でした。プロのリサーチを受けることで、情報の深掘りや整理の仕方を学び、自分で作成する資料も大きくブラッシュアップできました。調査のプロセスを理解することは自己成長にもつながると感じています。
特にCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)では、社内コンサルや社内営業の役割が求められます。例えば、フィンテック分野のスタートアップを紹介する際、その基礎情報を理解していなければ適切な提案ができません。リサーチを通じて知識を蓄えることで、より深い議論が可能になり、提案の質も向上します。その点で、Questの調査支援は非常に価値があると感じています。
貝沼氏
CVCの業務では、業界調査がスタートアップの目利きにも直結します。一方で、日本のCVCの多くは委任組合型で、業界の見極めをVCに任せがちです。しかし、VCが詳細な調査を行っているかというと、そうでもない場合が多い。彼らの評価を鵜呑みにするのではなく、自社で知識を積み上げて議論できる状態にしておくことが重要だと考えています。Questの調査は、その知識の底上げに役立つと感じています。
今後のリサーチテーマの選定
── 企業戦略において、リサーチテーマの管理はどのようにされていますか?
貝沼氏
我々の投資戦略と連動させる形で考えています。「足元の協業・出資」と「飛び地の協業・出資」のバランスを取りながら進めています。ただし、どちらに比重を置くかは社内でも議論が必要です。NDV(NTTドコモ・ベンチャーズ)として先進的なテーマを追求するのか、それとも直近の協業に必要な知識を深めるのか、その比率は慎重に検討しています。
小梶(Quest)
事業会社との会話を通じて、浮かび上がるニーズを吸い上げながら、リサーチテーマを決めているということですね。
貝沼氏
はい。ただし、事業部門からの要望をそのまま調査するのではなく、あくまで「驚き・発見」を提供することを重視しています。Questにお願いしているのと同じように、我々も事業部門に新しい視点を提供することを意識しています。
Questへの期待
── 今後、Questに期待することを教えてください。
平尾氏
これまでの1年以上の付き合いの中で、NTTグループへの理解が深まっていると思います。今後もその知見を生かし、示唆に富んだ調査をお願いしたいです。
貝沼氏
これまでの調査ではテーマによって若干のばらつきがありましたが、それを均一化しつつ、基本的な部分と新しい発見の両方をバランスよく提供してもらえたら嬉しいですね。
平尾氏
あえて視点を変えるようなアプローチも期待しています。単に調査結果をまとめるだけでなく、驚きや新しい視点を提供していただけると助かります。
小梶(Quest)
これまでインターン生がリサーチを担当していましたが、今後は生成AIを活用することで、データ収集のリードタイムを短縮し、コストを削減できると考えています。これにより、より機動力のあるリサーチを提供できると考えています。
── 本日はありがとうございました!
以上c